Kinsho税理士/社会保険労務士事務所の金正有史です。
このコラムでは、経営者の方が知っておきたい税務や会社経営のポイントを、できるだけ分かりやすくお伝えしています。
今回は、「 赤字でも税金はかかる?会社を作ると発生する税金の基本 」について解説します。
会社を設立したばかりの経営者の方から、
「 赤字なら税金は払わなくていいですよね? 」
というご質問をいただくことがあります。
たしかに、利益が出ていないのに税金を払うのは不思議に感じるかもしれません。
しかし、実際には会社が赤字であっても発生する税金があります。
そのため、「利益が出ていないから大丈夫」と考えていると、決算後に思わぬ負担が発生することもあります。
この記事では、会社を設立したばかりの経営者の方に向けて、
- 赤字でも発生する税金
- 利益が出た場合に発生する税金
- 会社経営で知っておきたい税金の考え方
- 税金で失敗しないためのポイント
について分かりやすく解説します。
- 赤字でも発生する税金がある理由
- 会社を作るとどのような税金がかかるのか
- 利益が出た場合の税金の仕組み
- 税金で慌てないための実務上のポイント
結論|赤字でも発生する税金があります
結論からお伝えすると、会社が赤字であっても税金がゼロになるとは限りません。
たしかに、利益に対して課税される法人税は、赤字であれば発生しないケースが一般的です。
しかし、会社には法人税以外にもさまざまな税金があり、利益の有無に関係なく負担が生じるものもあります。
そのため、
「赤字だから税金はかからない」
という考え方は正確ではありません。
まずは、どのような税金があるのかを理解することが大切です。
会社を作ると発生する主な税金
| 税金の種類 | 内容 |
| 法人税 | 会社の利益に対して課税 |
| 法人住民税 | 地方自治体へ納める税金 |
| 法人事業税 | 事業活動に対して課税 |
| 消費税 | 商品やサービスの提供に伴う税金 |
| 源泉所得税 | 給与などから預かる税金 |
| 税金の種類 | 内容 |
| 法人税 | 会社の利益に対して課税 |
| 法人住民税 | 地方自治体へ納める税金 |
| 法人事業税 | 事業活動に対して課税 |
| 消費税 | 商品やサービスの提供に伴う税金 |
| 源泉所得税 | 給与などから預かる税金 |
この中で特に注意したいのが法人住民税です。
法人住民税には「均等割」と呼ばれる部分があり、利益の有無に関係なく発生します。
つまり、赤字であっても一定額の税負担が生じることになります。
創業間もない会社が予想外の納税に驚くケースも少なくありません。
利益が出たときにかかる税金
利益が出た場合には、主に法人税や法人事業税などが発生します。
例えば、
・売上 1,000万円
・経費 800万円
の場合、利益は200万円です。
基本的には、この利益をもとに税額が計算されます。
ただし、会計上の利益と税務上の所得は必ずしも一致しません。
経費として計上していても、税務上は認められない支出があるためです。
その結果、
「思っていたより税金が高い」
というケースもあります。
創業期は資金繰りに意識が向きがちですが、利益が出始めた段階で税金の準備も並行して進めることが重要です。
赤字でも納税が必要になるケース
赤字でも税金が発生する代表的なケースとして、次のようなものがあります。
■ 法人住民税の均等割
先ほど触れたとおり、赤字でも発生する税金です。
自治体によって金額は異なりますが、多くの会社が毎年負担することになります。
■ 消費税
消費税は利益に対する税金ではありません。
売上に関係する税金であるため、赤字であっても納税が必要になる場合があります。
特に創業後数年が経過し、消費税の課税事業者になるタイミングでは注意が必要です。
■ 源泉所得税
従業員への給与や税理士報酬などを支払う際には、源泉所得税を預かって納付する必要があります。
これは会社自身の利益とは関係ありません。
そのため、赤字でも納付義務が発生します。
税務署が確認しているポイント
税務調査では、赤字会社だから調査対象にならないわけではありません。
むしろ、
・長期間赤字が続いている
・売上に比べて経費が多い
・個人的な支出が経費に含まれている
といったケースでは確認が行われることがあります。
実際の調査現場でも、赤字申告だから問題がないというわけではありません。
税務署は利益の有無だけでなく、経費計上の内容や取引の実態を重視して確認しています。
また、「赤字だから税金は関係ないと思っていた」
という認識から、帳簿や領収書の管理が不十分になっているケースも見受けられます。
日頃から適切な記録を残しておくことが大切です。
税金で困らないための実務上の対策
創業期の経営者が実践したいポイントは次の3つです
決算時だけでなく、毎月の利益状況を確認しましょう。
利益が見えてくると、おおよその税負担も予測しやすくなります。
利益が出たら、その一部を納税資金として確保しておくことをおすすめします。
決算後に慌てて資金を準備する必要がなくなります。
創業初期は税金の仕組みが分かりにくいものです。
誤った認識のまま経営を進めると、後から修正申告や追徴課税につながる場合もあります。
早い段階で相談できる環境を整えておくと安心です。
まとめ
会社を作ると、利益が出た場合だけでなく、赤字の場合でも発生する税金があります。
特に創業間もない経営者の方は、
・赤字でも税金が発生する場合がある
・法人住民税の均等割には注意が必要
・消費税や源泉所得税は利益とは別の税金
・納税資金を事前に準備することが大切
という点を押さえておきましょう。
税金は会社経営に欠かせないテーマですが、仕組みを理解しておけば過度に心配する必要はありません。
このコラムでは、日々の経営判断にすぐ活かせる実務情報を、分かりやすく発信してまいります。
今後ともよろしくお願いいたします。
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