税務調査はいつ来る?会社を作ってから何年目が多いのか

Kinsho税理士/社会保険労務士事務所の金正有史です。


このコラムでは、経営者の方が知っておきたい税務や会社経営のポイントを、できるだけ分かりやすくお伝えしています。


今回は、「税務調査は会社設立から何年目に来ることが多いのか」について解説します。



「まだ来ない」は、本当に安全でしょうか


「うちは設立したばかりだから大丈夫ですよね?」

「売上もそこまで多くないし、調査なんて来ないと思っています。」


経営者の方から、よくこうした言葉を耳にします。


しかし、“来ないはず”という感覚ほど、危ういものはありません。


税務調査は、完全なランダムではありません。

一定の傾向があります。


一般的に、法人の場合は設立3年目から5年目あたりで調査対象になるケースが多いと言われています。


なぜこのタイミングなのでしょうか。


理由はシンプルです。


決算が複数期分そろい、利益構造や資金の流れが見えてくるからです。


創業直後は赤字や投資が多く、数字が安定しません。

しかし数年経つと、売上も利益も一定の形になります。

税務署はその推移を見ています。


・急に利益が増えていないか
・役員報酬が不自然に変わっていないか
・消費税の判定が適切か
・交際費や外注費が急増していないか


こうした“変化”は、データ上はっきり表れます。



ここで大切なのは、「来るか来ないか」ではなく、「来ても説明できるかどうか」です。


税務調査は、間違い探しの場ではありません。

申告内容の確認の場です。


しかし、証憑が整理されていない、
議事録が残っていない、
売上計上の根拠が曖昧、


こうした状態では、説明に苦労します。


特に注意したいのは、設立初期の処理の積み重ねです。


創業時は慌ただしく、経理処理が後回しになることもあります。

しかし、数年後の調査では、「創業時の処理」も対象になります。


だからこそ重要なのは、日々の整備です。


・証憑を月次で整理する
・役員報酬は必ず議事録を残す
・現金取引はできる限り減らす
・利益率の変動理由を把握しておく

これだけでも、調査時の安心感は大きく変わります。


税務署が見ているのは、数字だけではありません。

説明の一貫性と、合理性です。

誠実に整えている会社は、調査も穏やかに進みます。


税務調査は怖いものではありません。

準備をしていない状態が怖いのです。


経営とは、リスクをゼロにすることではなく、管理できる状態にすること。

その視点を持てるかどうかで、安心感は大きく変わります。

税務の世界では、「知らないこと」が不安の原因になることも少なくありません。



このコラムでは、日々の経営判断にすぐ活かせる実務情報を、分かりやすく発信してまいります。

今後ともよろしくお願いいたします。